サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミーとは、自然にも環境にも負荷を掛けずに、今ある資源を無駄なく使い続ける経済モデルのことを言います。どうしても使い切れなくなったものだけを、環境に悪影響を与えない形で自然に戻します。これまで廃棄されていた製品や原材料を新たな資源ととらえ、使い続けるよう努力することが求められています。今の大量生産→大量消費→大量破棄の考えとは全く異なる考えです。
これまでのリサイクルは、Reduce(ゴミを減らす)、Reuse(再利用する)、Recycle(リサイクル)の3Rでした。今までは、一度使った製品、または製品の一部分を修理したりして使い、ゴミや廃棄物を可能な限り減らし、その廃棄焼却や埋め立て処理施設による環境負担を軽減するのが目的でした。最近はさらに進んで、原材料の調達や製品設計の段階から、回収して資源として再利用することを考え、廃棄ゼロを目指す素材や部品のメーカーが増えています。この動きをリードしているのがEUです。
サーキュラーエコノミーで企業に問われるのは技術力です。再生可能な原材料を見つけ出し、調達コストを削減し、安定供給できる製品を開発する必要があります、製品の設計から廃棄処理するまで、綿密な行動計画を立てておけば、経済や雇用の拡大にもつながります。製品寿命の延長はもちろん、修理やアップグレードも当然のサービスになって、企業の利益に貢献します。サーキュラーエコノミーの強みは、経済がまわることで機能する新たな仕組みです。

(2021年12月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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