働く女性と月経

日経BP総合研究所の調査によれば、月経に伴う不快な症状が仕事に与える影響について、仕事や勉強の効率が落ちると答えた人が75%にのぼっています。ミスが増えるが28%、つらくて休むが24%という声も次いで多くみられます。症状があるときの仕事の出来について点数評価してもらうと、普段と比べ平均約6点にまで落ち込むという結果が出ています。20代以下と30代ではそれぞれ3割が5点以下と回答しています。若年層ほど生産性やモチベーションが大きく低下しています。
勤務先に求めるケアについては、婦人科受診費用の補助が33%、低用量ピルの服薬支援が30%、生理について理解を深める全社員対象の研修が30%です。職場は生理関連の不調に対して理解があるかとの問いに対しては、そう思わないと考える人は55%で、そう思うの15ポイント上回っています。職場は理解があると答えた人の8割は、今の会社・職場が好きだと回答しています。一方で、職場に理解がない、と答えた人では6割にとどまっています。
生理痛やPMS(月経前症候群)を我慢しながら働く女性は多くみられます。職場に女性が増える中、生産性を上げるうえでも、女性の健康管理は欠かせません。これまで職場内でタブー視されがちだった生理の悩みについて、男性も理解し、職場全体で改善しようとする起業家らが現れてきています。
生理痛などで会社を休んだり、労働量や質が低下したりすることによる労働損失は、年間約5千億円にも達します。企業が女性社員をサポートすることで仕事の生産性は上がります。会社に生理を経営課題として認識してもらうことも大切です。家庭でも会社でも生理のことを話題にしやすくなれば、女性よりも働きやすい職場になります。

(2021年12月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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