チャットGPTへの大学の対応

質問や指示に対してなめらかな文章で返答する対話型AIであるChatGPT(チャットGPT)など生成AIについて、大学が対応を迫られています。AIが書いた文章と、学生が執筆した文章とを見分けるのが難しいことから、とりわけリポート作成で制限を設けたり、注意を呼びかけたりしています。しかし、情報の収集や整理といった場面で活用が期待されており、多くは使用を全面的に禁止とはせず、バランスに悩みながら模索しています。
海外では対応が割れています。強く懸念を打ち出す大学や研究機関もあります。パリ政治学院は、文章や発表資料の作成に、チャットGPTを含むAIの使用を原則禁じています。英ケンブリッジ大学も、チャットGPTの生成物を用いることは懲戒対象となる不正行為と明記しています。英ネイチャー紙は、チャットGPTは著者となる基準を満たしていないと明記しています。
生成AIは、もっと進歩すると思われます。単に禁止するのではなく、柔軟に対応する態度が大切となります。使う側はウソがあることを自覚し、批判的思考を大事にしなくてはいけません。人間が、AIの一段上に立つ判断をするということであれば意味があります。他人と議論すると、頭の中が整理され、新しい発想が生まれることがあります。そうした相手として使えるようにもなってきています。

 

(2023年4月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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