ノロウイルス感染の流行

 ノロウイルスなどによって激しい下痢や嘔吐などの症状を起こす感染性胃腸炎が流行しています。各地で警報が発令されています。例年を上回る勢いで流行が広がっており、学校などで集団感染も相次いでいます。感染性胃腸炎は、主にノロウイルスやロタウイルスなどの病原体が原因で流行する胃腸炎であり、そのピークは例年121月です。カキなどの二枚貝の生食による食中毒のほか、学校や介護施設など集団生活を送る施設での感染に注意が必要です。
 ノロウイルスの感染力は非常に強く、通常は患者の嘔吐物、排泄物を通じた接触感染、飛沫感染で広がります。ワクチンや特効薬はなく、下痢や嘔吐で脱水症状を起こします。持病のある人や高齢者などが発症すると死亡することもあります。感染予防の基本は手洗いの徹底です。貝類などは十分加熱調理し、まな板や包丁も熱湯消毒することが大切です。患者の嘔吐物などには大量のウイルスが含まれているため、マスクや手袋を着用して塩素系消毒剤で清掃しなければなりません。

(2016年12月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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