フレイルチェックの必要性

フレイルとは、日本老年医学会が、2014年に虚弱を意味するFrailtyを基に作った言葉です。要介護に至る前の筋力や活動が低下し始めた状態を指します。この段階なら回復可能と啓発しています。フレイルについては、統一された判定基準があるわけではありません。海外の報告をもとに、①半年で体重が2~3キロ以上減った、②疲労感が続く、③運動の機会がない、④握力が男性26㎏、女性18㎏未満、⑤青信号のうちに横断歩道を渡れないの5項目中3項目に該当したらフレイルとみなすという目安が使われることもあります。
フレイルは、筋力などの身体機能の低下より先に、社会参加や口の機能の衰えから始まります。社会との関りが薄れると身体活動も低下し、口の機能の衰えは栄養不足を招く恐れがあります。口の機能の衰えが一定程度確認された人は、4年以内に要介護認定されたり、死亡したりするリスクが高いという結果も出ています。もちろん、運動はしたほうが良いのですが、あえて運動・スポーツという形をとらなくても、人とのつながりがあれば、結果的に、歩くなどの身体活動を一定程度行っていると考えられます。フレイルチェックは、自分の体力低下のリスクに早く気づき、生活習慣を見直してもらおうというものです。

(2018年8月27日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。