ヤングケアラーへの支援

ヤングケアラーとは、大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを、日常的に行う子どもたちのことを言います。ケアといっても介護に限らず、幼いきょうだいの世話、家計を支えるためのアルバイト、アルコールや薬物などの問題を抱える家族の対応、日本語が苦手な家族のための通訳など、様々なケアがあります。自らがやっている家事に対して、自身をヤングケアラーだと認識していない人も少なくありません。
これまで曖昧だった定義は、政府が国会に提出した子ども・若者育成支援推進法の改正案で、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者とされました。国内では、18歳未満の子どもとされていましたが、18歳以上の若者も対象に含まれることになりました。
国の調査によれば、全国の公立高校の2年生で4.1%、公立中学2年生で5.7%です。高校2年で約4万2千人、中学2年で約5万5千人となる計算です。ケアに充てる時間は、高校2年で平均3.8時間で、7時間以上という回答も1割を超えています。
自分の時間や勉強の時間が十分に取れない、孤独・ストレスを感じる、友人と遊ぶことができない、睡眠が十分に取れないといった悩みがあがっています。ケアによって、進学や就職などの進路に影響することもあります。2020年に、埼玉県で全国初の支援条例が成立するなど、2023年12月までに20の道県と市町で、ヤングケアラーを含むケアラー支援に関する条例がつくられています。

(2024年3月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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