不妊治療保険

 体外受精と顕微授精の特定不妊治療は、公的な健康保険の対象にならず、治療1回あたりの患者負担は30万円~60万円と高額になります。そのため、厚生労働省は、不妊治療に対する助成である特定治療支援事業を平成16年度より開始しています。平成284月より新制度に変わり、対象年齢は43歳未満となり、通貨助成回数は40歳未満では6回まで15万円が支給されることになりました。また最初の2回までは30万円に増額されています。
 金融庁も足並みをそろえる形で、41日に保険業法施行規則を改正し、不妊治療保険の販売を解禁しています。しかし、生命保険各社にとって壁になるのが商品設計の難しさです。保険に加入するのは、不妊に悩んでいるなどして不妊治療を受ける意思がある人に限られるとみられ、通常の医療保険などに比べて保険金支払いの可能性が高くなってしまいます。治療を何回受けるかも加入者の意思に任されることが多く、保険金が高額に上ることが予想され、生命保険各社は採算が見込めない状況にあります。治療を希望する患者は、このような民間保険への期待が大きいのですが、保険発売の見通しは立っていないのが実状です。

(吉村 やすのり)

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