世界大学ランキング

英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が9月に発表した最新の世界大学ランキングは、中国の清華大学がアジア勢で最も高い20位に入るなど中国勢の躍進が顕著です。日本勢は東京大学が36位、京都大学が54位でしたが、上位200位以内に入ったのは両校だけです。2004年の国立大学の法人化後、東大など上位大学に資金や人材が集まりやすい選択と集中の政策を進めましたが、功を奏していません。
2013年の日本再興戦略で、今後10年間で世界大学ランキングトップ100に10校以上入れることを目標に掲げましたが、達成は困難です。ランキングは多面的な役割を持つ大学を評価する一つの指標であり、政策目標にするには批判もありますが、日本勢の停滞には研究力の衰えがみえます。
各国の論文数や政府の研究開発投資と、GDPには密接な関係があるとされています。政府投資がイノベーションを促し、GDPが伸びれば政府投資も増えるという好循環です。しかし、わが国は、厳しい財政事情で政府投資が停滞し、イノベーションが生まれずに低成長に陥り、投資が増えないという悪循環に陥っています。

(2020年10月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。