人口動態統計からみた婚姻数の減少

人口動態統計とは、厚生労働省が発表する全国の出生、死亡、婚姻、離婚、死産に関する統計です。市区町村が届け出などをもとに人口動態調査票を作成しています。速報値は厚生労働省が毎月公表し、出生数の変化などを素早く把握しています。女性が一生で産む子どもの数を示す合計特殊出生率や死因別の死亡数、年齢別の婚姻・離婚数なども分かります。
婚姻数の年次推移をみると、近年は減少傾向にあります。過去最多の1972年には110万組に達していましたが、2019年には60万組弱まで落ち込み、半減しています。コロナ禍で各国の人口動態に影響が出ています。国内でも婚姻数や出生数の落ち込みが生じています。
特にわが国では婚外子の割合が2%前後であり、結婚しないと子どもが持てない状況にあります。そのため、婚姻数の落ち込みは出生数の減少に直接反映することになります。婚姻の有無にかかわらず、子どもが持てるような社会的風土の醸成が少子化対策には必要です。社会の意識改革がなければ、少子化国家からの脱却はできません。

(2021年5月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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