人権デューデリジェンスの必要性

人権デューデリジェンスとは、企業が取引先を含めたサプライチェーンで人権侵害がないか確認し、予防や改善に取り組むことです。日本政府は、2022年に企業の対応を促す指針をまとめています。尊重されるべき人権の例として、強制労働や児童労働がないか、人種、宗教、性別などの差別がないかなどを挙げています。
指針は、まず人権方針と呼ぶ各企業による取り組みの考え方をつくり、経営陣で承認するよう要請しています。そのうえで企業には、①人権侵害を特定し、深刻度合いを評価、②防止と軽減措置、③実効性を評価、④結果開示の4つの手順を繰り返すよう求めています。英国は、2015年に現代奴隷法を世界に先駆けて制定しています。企業に調達先の人権リスクの調査や報告を義務付けています。
アサヒグループホールディングスは、同法に対応するため2017年に主要な原材料のリスクを分析しています。コーヒーや砂糖、茶などでリスクが高いと分かり、アフリカのエチオピアとタンザニアのコーヒー生産地を調査しています。人権への対応は、企業が事業活動をする上で必須になっているとし、2023年から重要課題に位置づけています。

(2023年4月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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