人間拡張による代理診療

人間拡張とは、IT(情報技術)、ロボットなどの技術を組み合わせ、人間が持つ能力や知覚、存在を拡張させて社会課題を解決する技術概念のことを言います。英語では、ヒューマンオーグメンテーションと呼ばれます。障害や病気を抱える人の能力の補完・回復のほか、SFで描かれるような健常者の身体能力やスキルを飛躍的に向上させる技術も含まれます。最近、様々な分野で人間拡張技術が広がってきています。
人間拡張技術は、身体能力を拡張させて荷物の運搬の負担を軽減するアシストスーツなどが代表的でした。今や進化して、高度なスキルが求められる医師の診療支援や代理人も実現しています。AI医師は、高精度な管理で本物の医師が達成しにくかった結果を出してきます。

  

人間拡張技術関連の市場は有望視されています。マーケッツアンドマーケッツの調査によれば、2021年から5年間で、新型コロナウイルスの影響を考慮した現実的なシナリオでは、年平均21%で成長します。2020年に約880億ドルの市場規模は、2026年に約3,400億ドルに拡大すると見込まれています。拡大する市場を見据え、スタートアップだけでなく、大手企業も事業化に目を向けています。深刻な人手不足や労働環境の悪化などの解決にもつなげたい考えです。

(2022年1月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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