働く高齢者

 今年は、団塊第1世代が70歳を迎えます。6574歳の前期高齢者は、心身の健康が保たれており、活発な社会活動が可能な人が大多数を占めています。今年13月の労働力人口は、5年前と比べると65歳以上では200万人増えています。65歳未満の生産年齢人口は減り続けていますが、年齢に上限がない労働力人口は女性の増加もあって5年連続で増加傾向にあります。直近の総数は90年代以来の6,700万人台に達しています。
 6569歳は、6割近くが労働市場に残る選択をしています。人口が多い団塊世代が労働力を押し上げていますが、同世代の中の働きたい人の比率が継続的に増しています。健康寿命が延び続け、70歳以上の労働力率が65歳以上並みに上昇すると、全体の収入が年1.52兆円ほど増え続けると試算されています。今後の社会保障は、現在の騎馬戦型から肩車型に変化していきます。しかし、働き続ける高齢者が増えれば、担がれるはずの人が担ぐ側に回ることが可能になります。

(2017年8月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。