児童相談所における弁護士の役割

 児童相談所(児相)は、児童福祉法に基づき017歳を対象に、非行問題、育児支援などの相談に応じています。児童虐待への対応も児相の主な役割で、著しい虐待と判断した場合は、所長の権限で子どもを一時保護することができます。10月から弁護士の配置が義務づけられます。弁護士には、法律面の専門知識を生かし、書類を速やかに作成したり、子どもの処遇を判断したりする役割が期待されます。しかし、具体的な配置計画などはまだ明らかではなく、児童福祉に詳しい弁護士の確保も課題となっています。
 近年、虐待による一時保護の件数は増加しています。しかし、親の反対もあり児童保護が困難なことがあります。子どもに傷痕があった場合、弁護士に相談し、法医学の専門家に鑑定書の作成を依頼したり、里親委託の認可を得るため裁判所に提出する書類の作成を依頼することができます。児相に弁護士の配置が義務化されることにより、子どもを一時保護するかどうかなどの判断が難しい事例について判断を仰ぐことができます。

(2016年8月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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