児童虐待の相談件数と検挙件数

 厚生労働省によれば、児童相談所(児相)への児童虐待の相談件数は増え続け、2016年度122,578件で過去最多に達しました。警察庁のまとめでも、虐待の検挙件数は2016年が1,081件で前年の1.3倍でした。児童虐待は、親などの加害者が暴行を「転んでぶつけた」などと否認したり、家庭内のため、子ども以外の目撃者がいなかったり、といった捜査の難しさがあります。
 しかし、乳幼児が転倒などで頭骨内に重大な傷を負うことはまれであり、重い外傷があれば大人による暴行を考えるべきです。増加する児童虐待事件に対応するため、最高検察庁と法務省は医師や児童心理の専門家を招き、検事を対象とする初の研修会を始めています。親らを逮捕することだけで問題は解決しません。刑事処分が出された後も、子どもをいかにして心理的サポートをしていくのかが大切となります。

(2017年9月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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