全国の児童相談所(児相)が、2015年度に対応した児童虐待の件数は前年比16.1%増の10万3,260件を超えました。1990年度の集計開始以来25年連続の増加で、初めて10万件を超えました。児相に電話で相談しやすくなったことも一因です。虐待の種別では、心理的虐待が9,918件と最も多く、全体の約半数を占めています。身体的虐待が2万8,611件、ネグレクト2万4,438件、性的虐待が1,518件と続いています。
児相に虐待を通告した人や機関は、警察が最多の3万8,522件です。次いで近隣知人、家族、学校などと続きます。都道府県別では、大阪府が1万6,581件で最多でした。神奈川県、東京都、埼玉県、千葉県の上位5都府県で全体の半数を占めており、都市部に多くなっています。子育てをする環境が大いに関与しています。
(2016年8月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)