冬の紫外線の肌へのダメージ

冬は夏に比べて日差しが穏やかになるため、日焼け対策に油断をしがちです。しかし、浴びる紫外線は決してゼロではなく、肌が乾燥しやすい時期のためダメージは見過ごせません。肌老化の約7割は、日焼けが原因です。
地上まで届く紫外線には、UV-AとUV-Bの2種類があります。波長が長いUV-Aは、皮膚に深く浸透し、コラーゲンなどの皮膚の繊維を変性させて老化を促進します。しわ、たるみの原因となります。一方、UV-Bは、皮膚の表皮のやけどを引き起こし、メラニン色素が大量に作られることで、くすみ、しみ、そばかすの原因となります。UV-Bは、長年浴び続けると皮膚細胞のDNAを傷つけ、いずれ皮膚がんを引き起こす恐れもあります。
冬の紫外線対策の第一は、外出時の肌の露出を極力減らし、冬でも日焼け止めを塗ることです。日焼け止め化粧品のパッケージには、SPFとPAの表示があります。SPFは、UV-Bに対する防御(数値が大きいほど高い)、PAは、UV-Aに対する防御(「+」の数が多いほど高い)を表しています。
冬は乾燥によって肌のバリア機能が低下しているため、強い日焼け止めを使うと、肌荒れを起こす可能性もあります。また、日頃の保湿も大切です。紫外線が肌に与えるダメージは徐々に蓄積され、時間を経てから肌の老化や皮膚がんのほか、白内障などを引き起こします。

(2021年2月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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