処方箋のない薬の販売

 医師の診察を受けて処方箋をもらわないと購入できない医療用医薬品を、処方箋なしでも販売する薬局が登場してきています。厚生労働省によれば、医薬品医療機器等法は医療用医薬品のうち処方箋医薬品以外を処方箋なしで薬剤師が対面販売することを禁止しておらず、罰則もありません。しかし、医師の診断に基づいて使用されるべきで、処方箋による販売が原則としています。
 厚生労働省の通達では、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合は、患者に医療機関への受診を勧めた上で必要最小限の数量に限定するよう求めています。やむを得ないとは、災害などで受診が困難な状況を想定しています。薬局を所管する保健所は、薬局側には処方箋に基づく販売を再三指導していますが、強制的に販売を中止させる権限はなく、指導を続けるしかありません。処方箋なしの販売は徐々に広がりを見せており、ホームページや看板などで販売できることを提示しています。しかし、薬の不適切利用や受診遅れによる症状の悪化など健康への悪影響が懸念されます。

(2017年5月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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