出産後の職場復帰

 労働政策研究・研修機構の調査によれば、結婚や出産で離職した女性がフルタイムで働きたいと望む割合は、末子が4歳から小学校に入学前の層で24.8%、小学13年生の層で42.3%に達しています。中学生で84.2%、高校生だと93%と、成長するにつれフルタイム復帰を望む比率が高まります。しかし、現実にフルタイムで働く人の割合は、子どもが成長しても大きな変化は見られません。3歳までから小学3年生までは約4割とほぼ横ばいです。子どもが小学校高学年や中高生でも、約2割の母親は休業・子育て専念にとどまっています。
 フルタイムに復帰しにくい背景には、理想の働き方と現実に就業できる勤務形態が必ずしも一致していません。子育て中の女性が仕事選びで重視するのは、勤務地の場所や休暇・勤務時間帯といった時間が多く、職種や仕事内容などの条件を大きく上回っています。退職後のブランクにより、復帰に自信が持てないことも仕事選びに大きな制約をもたらしています。フルタイム勤務を実現するには、まず仕事に就き、スキルを磨く機会が提供されることが欠かせません。

(2016年7月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。