血友病の治療

 血友病とは、血液を固めるたんぱく質血液凝固因子が生まれつき足りない病気で、怪我など出血した時に血が固まりにくくなります。血管が傷つくと、普通は血小板という血液中の成分が集まって穴をふさぎます。次に血液凝固因子が働き、傷ついた部分にふたをして出血が止まります。血友病のうち血友病Aは、血液凝固因子の第Ⅷ因子が足りない病気です。第Ⅸ因子が不足する血友病Bもあります。国内にはAが約5,000人、Bが約1,000人の患者がおり、遺伝性であり大半が男性です。
 血液が固まらないと、筋肉や皮膚の下など様々な部位で出血を起こします。足や膝の関節で出血を繰り返すと、関節の内側にある膜に炎症が起こり、関節が変形してしまいます。痛くて歩き方がおかしくなり、曲げ伸ばしも難しくなります。頭蓋内に出血を起こした新生児や乳児の8割以上が重症の血友病だったとの報告もあります。出血箇所や出血の量が多くなると頭痛や嘔吐、けいれん、意識障害などが起こります。

(2016年7月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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