加齢に伴う視力の低下

老眼の症状が出始めるのは40歳代くらいからで、意外と早く始まります。老化は視力の低下から始まるといっても良いと思います。60歳代から顕著になり、70歳くらいになると進行が止まります。目の中でレンズの役割をする水晶体が加齢とともに動きにくくなり、目の焦点が合わせにくくなるのが原因です。近くを見る時は、水晶体が膨らんで厚くなり、近くに目の焦点を合わせます。逆に遠くを見る時は、水晶体が薄くなって遠くに焦点が合っています。加齢で水晶体の弾力が失われると、水晶体が膨らみにくくなり、近くに焦点が合いにくくなり、老眼になります。

老眼は加齢と共に進み、進行を止めるのも難しく、予防は望めません。老眼の症状を自覚し始めたら、眼鏡やコンタクトレンズを使うことになります。眼鏡などを作る際には、眼科で検査して処方を出してもらいますが、どこをよく見たいかをはっきり言うことが大切です。見たいものによって、目の焦点をどこに合わすかが違ってきます。合わない眼鏡は疲れの原因にもなります。
長時間パソコンを使う仕事などでは目が疲れやすくなります。目を酷使する仕事をする人の場合は、仕事でパソコンを使う時のものと日常生活で使うもののように、目的に応じて眼鏡を使い分けた方が良いとされています。一方で自動車を運転する人の場合は、近くや遠くのどちらかに合わせると運転しづらくなります。運転する機会が多い人は、コンタクトレンズでも遠近両用レンズを使った方が良いと思われます。

(2022年1月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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