加齢性難聴

 内耳にある器官の一つである蝸牛を覆う3万~5万個の有毛細胞は、加齢に伴い毛が折れたり細胞自体がはがれ落ちたりします。それにより外から入ってくる音を十分にとらえられなくなり、聞こえが悪くなります。これが加齢性難聴です。50歳くらいから発症します。有毛細胞は、鼓膜と耳小骨へと伝達された音を受け止め、音を電気信号に変え、聴神経に送り脳に届けられます。脳は信号を瞬時に処理・解析して、何の音かを感知したり、言葉を理解したりします。
 国内には約1,430万人の難聴者がおり、その78割が加齢性難聴です。難聴者の割合は、6574歳で18%、74歳以上は41%です。しかし、65歳以上の難聴者で補聴器を使うのは15%にすぎません。耳から入る情報が少なくなると脳が衰え、認知症などの他の病気を併発する恐れもあり、早めに病院に行き、聴力検査で正確な診断を受けることが大切です。医師に補聴器を勧められたら、まずは専門の販売店を尋ねるのが良いと思います。

(2016年12月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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