父親の育児ストレス

 育児をしたい父親は増えています。ベネッセの調査では、5割以上の夫が家事育児に今以上に携わりたいと答えています。しかし実際は、ゴミ出し、食事の後片づけをする以外の関わりはほとんど増えていません。一方で子どもとの接し方に自信が持てないとする父親が増えています。その背景には、夫の長時間労働で子どもが就寝後に帰宅するケースが多く、子育てをやりたくてもできない状況があります。
 母親のみならず、育児中の父親にも相当なストレスがかかっています。国立成育医療センターなどの研究では、父親の16.7%に、生後3カ月までに少なくとも一度はうつのリスクが見られるとされています。物事がうまくいかない時、自分を不必要に責めたり、はっきりとした理由もないのに不安になったり、心配したりしたなどのうつ症状がみられます。夫婦関係の満足度が高い父親のリスクが低い一方、妻が産後うつだとリスクは2倍に上昇します。
 男性も子育てしようと意識が高まっているのに、長時間労働で実際には育児をするゆとりのないことも父親のストレスを高めていることも考えられます。長時間労働を社会全体でなくし、夫婦でゆとりを持って子育てをできるようにすることが大切です。夫の育児ストレスを減らすためには、家事や育児の方法が夫婦で違うのは当然であるとの妻の認識も必要になります。育児も家事も完璧にできないことを知るべきです。また、祖父母や外部サービスなどに家事育児を助けてもらうことも必要になります。

(吉村 やすのり)

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