労災申請

 仕事や職場のストレスから、メンタルヘルスの不調を訴えるケースが増えてきています。うつ病など精神疾患による労災申請は、2015年度に1515件と過去5年で約3割増えました。労災と認定された件数も高水準です。長時間労働が原因のケースが多いことが指摘されています。深夜まで残業して睡眠時間が減ると心身の疲弊でミスしやすくなり、さらに精神的に追い詰められるといった悪循環に陥りやすくなります。
 昨年12月に労働安全衛生法が改正され、従業員50人以上の企業は年1回、従業員の心の健康状態を検査するストレスチェックの実施が義務づけられました。ストレスが高い人に早めに気付いてもらえるようにするとともに、全体の検査結果を職場環境の改善につなげるのが狙いです。検査ではプライバシー保護のため、データの取扱いに注意が必要となります。人事評価に用いないと明示し、閲覧できる関係者を限定するなどの工夫が欠かせません。企業には職場復帰の支援体制も求められます。

(2016年10月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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