医師へのアンケート調査結果―Ⅰ

国民皆保険による医療
 日本経済新聞は全国1,030人の医師に対してアンケート調査を実施しています。国民医療費は、1990年度に20兆円を超え、2015年度は概算で41.5兆円に達しました。政府の推計では2025年度には54兆円に達する見込みです。現状の皆保険制度に基づく医療は今後も持続可能と思うかと尋ねたところ、そうは思わないとの回答が539人(52%)に達しました。勤務医と開業医による傾向の違いはありませんでした。その理由として、高齢者の医療費が増大しすぎている、医療が高度化して薬剤が高額になっているが、多くの意見を占めていました。持続可能と答えた医師は261人(25%)で、患者負担の増加が必要、消費増税があればなど持続するための条件を付けていました。
 海外では大病院の受診はかかりつけ医の紹介状が不可欠など受診制限がありますが、日本では患者は自由に医療機関を受診できます。日本の通院回数は海外の1.53倍程度と多く医療費増加の一因になっています。患者の負担増や増税がなければ、薬価だけでなく、医師の診療費も削減対象になります。過剰診療の是正を含めた医療の効率化が喫緊の課題です。

(2017年6月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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