医師業務のタスク・シフティング

医師業務のタスク・シフティングとは、これまで医師が行ってきた電子カルテの入力などを医療クラークに分担したり、医療行為の一部を看護師が処置したりすることです。厚生労働省は、病棟と集中治療室の業務の6割を看護師やクラークなどと分担すれば、医師の週100時間の勤務のうち、25時間を減らせると見積もっています。この分担を着実に実施しているかを医療機関ごとに点検するために、第三者機関を新たに設けることにしています。あわせて医師の働き方改革を進める病院に対し、引き続き2020年度も診療報酬を手厚くする検討も進め、病院の働き方改革を後押しします。
医師の過重労働は、他の業種よりも深刻です。しかし、残業時間を一般労働者並みに規制すれば、地方の医療の提供体制が損なわれる恐れが出てきます。厚生労働省は、2024年4月に適用する医師の残業時間の上限規制について、一般の医師は休日労働込みで年960時間とする方向です。しかし、全般にこれを取り入れると地域医療が崩壊する恐れが出てきます。そこで厚生労働省は地域医療を保つために欠かせない病院には、経過措置として、残業時間の上限を960時間より長くすることにしています。

(2019年1月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。