医療コーディネーターとは

 病気の告知や手術による治療など、医師から重大な選択を迫られた時、誰しもその選択で良いのか不安になり思い悩みます。その時の相談者が医療コーディネーターです。医療コーディネーは、病院勤務の看護師や訪問看護ステーションを運営する看護師、病院・保健所の医療相談従事者などです。医療技術が高度に専門化する一方で、患者や家族の心に寄り添う医療が難しくなっています。急性期病院では、在院日数の短縮化により効率が優先される傾向が強くなっています。そうした状況の中で、時間をかけて患者に寄り添う医療コーディネーターの役割は重要なものとなってきています。
 医療従事者は、患者からの質問がなければ、理解し納得したととらえがちですが、患者や家族は知識不足や不安な気持ちでいっぱいで満足に尋ねられないことも多いと思われます。医療コーディネーターの役割は、治療方針を決心できない人の課題を見つけ、解決を手伝うことにあります。必要なら病院に同行し、医師との会話を助けることもあります。1時間1万円前後と決して安価ではないため、誰もが気軽に利用できるわけではありません。しかし、看護師や医療・福祉の実務経験者が多面的に助言してくれる利点は大きいと思われます。

(2016年9月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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