医療的ケア児の増加

 周産期医療や高度小児医療の発達により、命が助かる赤ちゃんが増え、家に帰れるような医療環境も整備されつつあります。医療的ケア児とは、人工呼吸器をつけているなど、日常生活を営むために医療が必要な状態にある子どもたちをいいます。厚生労働者王の研究班が、在宅医療を受けている019歳の医療的ケア児の人数を推計しています。20155月時点で全国に約17千人で、そのうち人工呼吸器をつけているのは約3千人で年々増加しています。
 こうした子どもたちが増えている一方で、預けられる施設は圧倒的に不足しています。隠れた待機児童問題とも呼ばれています。仕事をやめて自宅中心の介護を選択せざるを得ない家族も多くなっています。施設が増えれば家族の社会的孤立感も避けられます。厚生労働省は、2017年度から自治体が看護師を雇って保育所へ派遣するモデル事業を始めるなど、医療的ケア児やその家族への支援を強めることにしています。

(2017年1月16日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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