原子力関連学科への進学

 原子力関連の学科や専攻への進学者は、2015年度は298人でした。直近25年間で最大だった1992年度の約670人の半分以下になっています。減少は90年代からで、20022009年度には200人前後と低水準となってしまいました。原子力業界に対する学生の興味は薄れています。しかし、東京電力福島第一原子力発電所事故後の20122015年度には約30人増え、回復する傾向にあります。
 現在、大学が原子力人材の育成に力を入れています。国際的なリーダーとなる教養を身に付けさせたり、現場実習の経験を積ませたりして、即戦力になれるように教育プログラムを工夫しています。事故を起こした日本は、安全に資する人材を育てる使命があります。原発事故から6年が経過しました。廃炉に向けた工程は長く、必要な人材育成に向けて、国や自治体の動きも進んでいます。原子力研究に進む学生の増加が期待されます。

(2017年5月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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