国公立大学入試の総合型・推薦型選抜の増加

文部科学省のまとめによれば、2023年度入学者向けの国公立大入試の募集人員のうち、総合型選抜(旧AO)と学校推薦型選抜の占める割合が過去最多の22.5%となります。総合型・学校推薦型は一般入試よりも合否判定が早く、少子化により受験生の確保競争が激しくなるなか、私立大学と同様に国公立大も選抜時期の前倒しが進んでいます。
総合型は、面接や小論文などを組み合わせて選抜します。文科省が2021年度入試からAO(アドミッションズ・オフィス)を総合型選抜と改称し、学力についても評価するとしています。学校推薦型は、高校の推薦に基づき、調査書を中心に合否を判定します。総合型を実施するのは104大学(58.4%)、学校推薦型は172大学(96.6%)で、いずれも2022年度より2大学増えています。
総合型・学校推薦型は、9~12月に実施・合否が出ることが多く、年内入試とも呼ばれています。私立大学でも導入が拡大しており、2021年度入学者のうち、総合型は14.7%、学校推薦型は43.5%を占めています。2021年度では、国公私立大学全体で総合型・学校推薦型による入学者が初めて半数を超えました。
国公立大学は、私立大学と比べ、年明けに筆記試験中心で実施する一般選抜の比率が高いものの、近年は総合型・学校推薦型の募集人員が増えています。優秀な学生を早めに確保しようと、国公立大学でも多様な選抜方法の導入が進んでいます。年内入試は、一点刻みのペーパーテストとは異なり、思考力や意欲を多面的に評価できる一方、合格者の学力不足を課題に挙げる大学もあります。

(2022年10月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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