地域における保護司の確保

保護司は、地域ごとに活動する民間ボランティアです。非常勤の国家公務員ですが、給与はありません。非行で保護観察処分を受けた少年や懲役・禁錮刑で仮釈放された人と、月2~3回程度面接します。少年院や刑務所の矯正施設に収容中の人の釈放後の受け入れ体制を整えるため、住まい調査や家族との話し合いなども行います。その業務は、犯罪や非行の防止に向けた街頭パレードや広報、市民向け講演会など多岐にわたります。
禁錮以上の刑に処されたことがなく、健康で生活が安定し社会的信望がるといった66歳以下の人に、法務大臣から委嘱されます。任期は2年、76歳未満まで再任可能です。約4万7,000人が全国886保護区で活動しています。国の保護観察官と協働し、地域に欠かせぬ存在です。平均年齢は65.6歳と上昇し、定年による退任も増えてきています。
保護司は対象者ごとに1人指名されますが、複数で担当する制度もあります。新任者らの負担を軽くし育成にもつながります。保護司になると、新任研修や指導力強化といった公的な研修があります。保護司は60歳以上が8割を占めています。地域の人間関係の希薄化などもあり、かつての人脈を通じた担い手探しは難しくなってきています。地域の更生保護サポートセンターは活動拠点としての役割が増しています。

(2024年2月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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