夜尿症

 日本夜尿症学会は、おねしょの研究が進んで安全な初期治療の流れが確立されたとして、この夏に診療ガイドラインを12年ぶりに改定しました。2歳ごろまでは、誰でも排尿のメカニズムが未熟なためおねしょをします。成長につれて減少しますが、小学低学年でも10人に1人程度はみられます。新ガイドラインでは、5歳以上で月1回以上のおねしょが3カ月続いているケースを夜尿症と定義し、治療の検討を勧めています。
 大きくなってもおねしょが続く原因は2つあります。①夜間に出るおしっこの量を減らすホルモンが十分でない②膀胱の容量がまだ小さいことが考えられています。①の場合はホルモンの役割を補う薬の服用などの薬物療法、②ならアラーム療法を勧めています。アラーム療法は、パンツにセンサーを付け、おねしょを感知するとアラームが鳴り、徐々におしっこを我慢できるようになる訓練です。夕食は寝る2時間前に済ませ、その後はコップ1杯程度の水分に抑える、寝る前に必ずトイレに行くといった生活習慣の改善が最も大切です。

(2016年10月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。