大学における任期ポストの増加

国立大学は、2004年の法人化後、国からの運営費交付金の削減を受けて、正規ポストを減らしてきました。代わりに、研究者や大学、研究機関が応募して獲得する競争的資金と呼ばれる研究費で給料を賄う非正規ポストを増やしています。競争的資金の支給期間は、3~10年程度と限られています。このため、雇用も任期付きとなります。国立大学の40歳未満の教員の63%は任期付きのポストにいます。
近年は、正規ポストにつけないポスドクの不安定な生活ぶりを見た修士課程の学生らが、博士課程への進学を敬遠し始めています。入学者は2003年度の約1万8千人をピークに昨年度は約1万5千人へと減少しました。人口当たりの博士の数を日米中韓仏英独の7カ国で比べると、2008年時点と比べて日本だけが減少しています。若手研究者の処遇をめぐっては、統合イノベーション戦略が、若手向けの競争的資金の充実や、若手向けの大学のポストの充実を課題として挙げています。

(2018年9月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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