大学の客員起業家の獲得

大学が、研究成果を活用する起業家の獲得に力を入れています。事業化を担う職員を一般公募したり、民間サービスを使って経営者候補を探したりするなど、ビジネスを立ち上げる能力のある人材の確保を狙っています。大学発の起業は伸び悩んでおり、実績をつくるには大学側も長期にわたり起業家を支援する必要があります。
大学発のベンチャーをつくる際の最大の課題の一つは、経営者がいないことです。多くの大学は、従来研究を事業化する際は、研究室のツテをたどって経営者を探すなど、個別の裁量に委ねるケースが多くなっていました。慶應義塾大学は、イノベーション推進本部のスタートアップ部門が、研究室から事業のシーズとなる技術を見つけ出し、2022年末から転職支援のビズリーチと共同で起業家候補を探す取り組みを始めています。
大阪大学も、2022年度から、民間のマッチングサービスを活用して水素応用などの研究技術ごとに経営者候補を探し始めています。さらに学内の研究技術を活用し、数年以内に起業を目指すという条件付きで職員の募集も始めています。東北大学は、2020年から客員起業家と約1年間の雇用契約を結び、大学の研究成果を活用して起業を目指してもらう取り組みを開始しています。

(2023年3月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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