大腸がんの食事療法

大腸がんは日本人の最も罹りやすいがんです。大腸がんの手術後の食事に関しては、大腸癌研究会の治療ガイドラインも、術後の生活について、原則として食事に制限はないと明示しています。その際に大切なのは、よくかんで、ゆっくり食べることですが、いくつかの注意点があります。もっとも気をつけたいのが腸閉塞を予防することです。術後はまだ腸の動きが悪いため、食べ物が詰まってしまう恐れがあり、激しい腹痛や吐き気をともないます。
腸閉塞を防ぐため、不溶性の食物繊維を取り過ぎないようにすることです。食物繊維はゴボウやタケノコなどの根菜、椎茸などのキノコ類、野菜や果物の皮などに多く含まれています。消化吸収されずに腸まで届いて負担になります。逆に取りたいのがたんぱく質です。肉、魚、卵、大豆製品を偏らずに取ることが必要です。牛や豚の赤身肉は傷の回復を助ける鉄や亜鉛が豊富で、鶏のレバーや魚の切り身も、おすすめです。術後1~3カ月は腸閉塞に注意すべきです。1回の食事量が多くなるのも腸にとって負担です。1日の食事を5~6回に分け、食事量が少ない分を間食で補うのも良いとされています。

(2019年2月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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