奨学金の返済

 地域での就労を条件に奨学金の返済を肩代わりする自治体が相次いでいます。奨学金制度を運営する日本学生支援機構によれば、すでに10県あまりで導入しています。地方では東京などへの若者の流出に歯止めがかからず、労働力不足が深刻化しています。奨学金返済の負担を軽減することで地域への転入を促し、労働力の確保につなげようとしています。
 奨学金は経済的な理由で進学が難しい学生に学費を貸与する制度です。返済が不要な給付型もありますが、多くは返済が必要な貸与型です。2014年度に奨学金を利用している大学生・短大生は1038,000人であり、全学生数に占める割合は3分の1以上にも達しています。最近では奨学金の利用者が増えています。返済に苦しむ人も多く、3カ月以上延滞している人は約17万人以上にのぼっています。地方では、特に人手が足りない業種に限って支援するケースも増えてきています。すでに以前から地方への残留を希望する医学生に対し、自治体が学費を援助しています。地方における奨学金の支援は今後重要になってくると思います。

(2016年8月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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