女性のパートタイム労働

 政府が掲げる一億総活躍社会の実現には多様な働き方の実現が欠かせません。労働時間の短いパートタイム労働は、女性や高齢者の労働参加を促してきました。配偶者の収入が130万円を超えると社会保険の扶養範囲から外れるいわゆる130万円の壁は、労働意欲の阻害要因となっています。共働き世帯の増加で既存の制度の恩恵が薄れつつあります。
 白書によれば、パートタイム労働者の時給と労働時間を分析した結果、60歳未満の女性パートタイム労働者では、時給が増えると労働時間が減る傾向が顕著に表れました。特に2039歳では、2015年の時給が1,054円と、20年前より2割上がりましたが、労働時間は逆に2割減っています。4059歳でも同様の傾向が見られています。その要因としては、社会保険の130万円の壁や配偶者収入が103万円を超えると、納税者の受ける配偶者控除が減ることが挙げられます。

(2016年8月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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