女性テック人材の増加

女性のテック人材が増えています。日本のIT技術者に占める比率は2021年に22%となり、この10年で7ポイント高まって欧米と同水準になっています。異業種からの転職者数も10倍超に増えています。賃金の男女格差が金融や製造業より小さく、在宅勤務も定着していることが背景にあります。先進国で最低水準のデジタル競争力を引き上げるカギを女性が握っています。
日本はITの専門知識を学ぶ教育基盤が脆弱です。持続的な人材供給に向けて教育体制の拡充が必須です。ヒューマンリソシアの2022年の調査によれば、ITを専攻した大卒者に占める女性の割合は9%です。韓国の28%や欧米と比べて低水準で、女子大などには学べる学部も多くありません。大学で情報工学を学んでIT技術者になるのが一般的な欧米と異なり、日本では未経験者でも採用し、職場内訓練で育てる企業も多くなっています。データサイエンスなど高度なスキルが必要な技術者が育ちにくく、人材の量とともに質の向上も求められます。

(2023年6月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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