食品ロス減少のためのフードドライブの広がり

まだ食べられるのに捨ててしまう食品ロスは、政府の推計で令和2年度は522万トンに上っています。東京ドーム4.2杯分に相当し、1人当たり毎日お茶碗1杯分に近い食べ物を廃棄していることになります。世界から飢餓を無くすため、多くの食料を輸入に頼る日本人の消費行動が問われています。
食品ロスの内訳は、小売店での売れ残りや飲食店での食べ残しなど事業系が275万トン、自宅での食べ残しなど家庭系が247万トンです。政府は食品ロスを令和12年度までに、平成12年度の半分の489万トンとする目標を掲げています。毎年10月を食品ロス削減月間と定め、啓発活動を展開しています。販売期限が迫った商品を積極的に購入するてまえどりを呼びかけています。事業者によるリサイクルや廃棄削減の取り組みが奏功し、減少傾向が続いています。
過去1年でお金が足りずに家族が必要とする食料を買えなかった経験がある世帯の割合は11.3%で、ひとり親世帯に限ると30.3%です。家庭で余った食品を持ち寄り、地域の子ども食堂や福祉団体で役立ててもらうフードドライブが各地に広がっています。生活に困った人の支援と食品ロス削減の一石二鳥の取り組みです。地方自治体とスーパーの官民連携により活動を後押しする動きも出てきています。

(2023年6月16日 産経新聞)
(吉村 やすのり)

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