女性役員登用に向けて

女性活躍推進法が2016年に施行され、女性役員は増加しています。内閣府によれば、昨年7月末時点の東証プライム上場企業の女性役員比率は11.4%です。5年間で3倍近く増えています。しかし、女性役員の約9割は社外登用です。



OECDの2021年調査によれば、女性役員比率はフランスの45.3%、ノルウェーの41.5%、英国の37.8%と欧州勢が高くなっています。欧州では、一定比率で役員を女性とするよう法律で企業に義務付けている国が多くなっています。先駆けのノルウェーは、2002年時点では女性役員比率が6%と低かったのですが、取締役会の女性比率を40%以上に求める法律が2003年に成立し、2008年以降は40%前後で推移しています。
理由として指摘されるのが、幹部候補となる女性人材の層の薄さです。社外役員も一部の女性に人気が集まり、著名な実業家が複数社を掛け持つ例が多くなっています。社外役員だけでなく、内部で経営の本流を担う社内役員に相応の女性が入ってこそ多様性が増します。社内で女性役員候補を育てる動きを企業が加速させています。女性役員自体は増えているものの、生え抜きが少なく、多くが社外登用の現状を打破する狙いがあります。

(2023年3月26日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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