女性知事の効用

 女性知事は、20002月に大阪府知事となった太田房江さんから東京都の小池さんで7人目です。現職では北海道の高橋はるみさん、山形県の吉村美栄子さんだけです。女性知事は、地域の女性がもっと社会に進出して働けるような政策を積極的に進めています。自治体の職員である地方公務員で女性を増やしています。都道府県が2015年度に採用した公務員の中で、女性の割合をみると、山形県35.5%が全国で4位、北海道32.1%は8位と上位を占めています。公務員に女性を登用する姿勢を示すことで、民間の企業でも女性が活躍できるようにしています。
 これまでの女性知事は、政治のプロでない人が目立ちます。例えば千葉県の堂本暁子さんはテレビ局の報道記者出身、滋賀県の嘉田由紀子さんは大学教授、山形県の吉村さんはリクルートという会社で働いておられました。いずれも地域の有力者と接点がなく、保育や介護、環境問題など日々の暮らしを通じて疑問に思ったことを知事選挙の際、有権者に訴え、政策として実行しています。特に山形県の吉村さんとは何度もお会いしていますが、素晴らしい政策を次々と出されています。長年にわたって築いた利害関係が女性知事にはあまりないことが多く、大胆な政策を打ち出しやすくなっています。

 

(2016年8月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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