婦人科系疾患の経済的損失

 NPO法人日本医療政策機構の働く女性の健康増進調査によれば、婦人科系疾患の経済的損失は年間6兆円超であるとされています。乳がんや子宮内膜症など婦人科系の病気を抱えながら働く女性にかかる国全体の医療費負担と、仕事の効率低下で生じる生産性損失を合計しました。雇用保険の積立金に匹敵する規模で、社会的損失は大きくなっています。更年期にさしかかる女性管理職には特に配慮が必要になります。
 調査は20代~60代の正規雇用の女性2,091人(平均年齢は42.1歳)を対象に実施しています。このうち有病者596人から、1人当たりの通院費や薬代、仕事の効率低下や休業による損失を算出しています。これに労働力調査による女性の就業人口2,474万人と月経前症候群などの有病率17.1%をかけて、損失総額を推計しています。国や企業が成長戦略、経営戦略と位置づけ女性の能力に頼り、活躍を期待するなら、健康で長く働ける環境整備が急務です。

(2016年6月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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