日本全体の自殺者数は減っている中で、小中高校生の自殺は減っていません。警察庁の統計によれば、2016年に320人もの小中高校生が自殺で亡くなっています。小学生12人、中学生93人、高校生215人です。3分の2は男子です。自殺者全体の数は、2003年の3万4,427人をピークに減少しています。
小中高校生の自殺の原因としては、学業不振など学校問題が36.3％、親子関係の不和など家庭問題が23.4％、うつ病など健康問題が19.7％を占めています。いじめが原因とされたのは6件（全体の1.9％）に過ぎません。子どもの自殺は、いじめや友人関係といった学校に関わる要因のほか、家庭や、精神疾患など複数の要因が関与しています。いじめは深刻な問題ですが、いじめの予防だけでは不十分です。
（2017年4月21日 朝日新聞）
（吉村 やすのり）
