学び直しなど人への投資で日本は出遅れています。経済産業研究所の調査によれば、2010～2018年までの日本のGDPに対する人的資本投資額の比率は0.34％です。英国の1.58％など他の先進国に比べて著しく低くなっています。岸田文雄政権は、個人のリスキリング支援に5年間で1兆円を投じると表明しています。
新しいスキルや知識を身につけて仕事を変革するリスキリングが、企業の事業転換の起点になり始めています。経験者はデジタルトランスフォーメーションの先頭に立ったり、成長領域に飛び込んだりして、未来を切り開く先導役を担うことになります。
多くの企業が研修制度を整えていますが、身につけた知識やスキルを経営改革に生かせる人材はまだ少なく、学び直しを単なる技能取得に終わらせず、ビジネスモデルの変革につなげることが重要です。
（2022年1月1日 日本経済新聞）
（吉村 やすのり）
