学童保育とは、共働きやひとり親家庭などで、日中、家に保護者がいない児童を放課後や夏休みなどに預かることを言います。1997年に放課後児童クラブとして制度化され、厚生労働省が所管しています。クラブの数は昨年5月1日時点で約2万2,600カ所で、前年から約500カ所増えています。公設公営が38.2%、父母会などによる運営が43.6%、民設民営が18.2%です。
共働き家庭が増える中、首都圏を中心に民間の託児サービスが増え始めています。夜間まで延長できる預かり時間や送迎に加えて、英会話や美術を教える施設もできています。塾、習い事の機能を兼ねた付加価値が保護者の人気を集めています。一定の所得がある家庭でなければ利用できず、学童保育不足で生じている待機児童の解消にはつながらないとの指摘もあります。父母会などが運営する公設学童保育は不足傾向が続いており、誰もが利用しやすい放課後の居場所づくりも急務となっています。
(2016年5月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)