定期残高の低下

 定期預金の残高が2016年末時点で、9年ぶりの低水準まで落ち込んでいます。一方、普通預金は過去最高に膨らんでいます。日銀のマイナス金利政策を受けて、定期預金の金利は低下しています。そのため定期預金のメリットがなくなっています。定期預金を離れた資金は、普通預金のほか、現金を手元に置くタンス預金に向かっています。
 定期預金の平均金利は、201610月に0.021%過去最低を更新しています。定期で長く預けても、それほど実入りが増えません。このため個人のお金は、金利が0.001%とさらに低いものの、出し入れしやすい普通預金に流れています。家計が保有する投資信託や株式も減少しています。個人は長生きのリスクを意識し、資産防衛に向かっています。元本毀損の恐れがある投資をする個人が減っています。

(2017年3月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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