就職戦線の前のめり

 2019年春に卒業する大学3年生を主な対象としたインターンシップ(就業体験)が、夏休みの始まる7月から本格化します。

企業や学生の多くは、採用・就職活動の前哨戦と位置づけており、人手不足の深刻化に伴って学生の青田買いに活用する動きも目立っています。就職情報会社ディスコの調査によれば、今年度にインターンシップを実施予定の企業の割合は、前年比8.8ポイント増の52.0%に達しています。そのうち大学生の夏休みに当たる79月に行うのは同6.3ポイント増の65.8%で、実施時期の早期化が進んでいます。
 経団連の指針では、正式な採用活動として行われる会社説明会は3年生の3月で、選考は4年生の6月に解禁されます。採用予定数を確保できない企業が年々増えており、早い時期から採用活動で優秀な学生に接しようとしています。企業によっては、インターンシップで優秀と見込んだ学生に定期的に連絡し、選考まがいのこともしています。経団連が解禁日を定めている説明会や面接とは異なり、インターンシップには実施時期の制約はありません。指針には罰則がないため、インターンシップを通じた採用活動は事実上可能となっています。優秀な学生を外資に取られないためには、インターンシップで学生を囲い込んでいます。

(2017年6月25日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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