建設業界における女性活躍

 女性の活躍が遅れる建設業界で、部下のワークライフバランスを支援するイクボスを育成する動きが広がっています。長時間労働や男性中心の職場が、女性の活躍を阻んでいる可能性があります。長時間労働があたり前の風土や力仕事が多い現場を持つ特性から、建設業界は女性の活躍が遅れています。総務省の労働力調査によれば、就業者に占める女性は全体の15%程度であり、他業界と比べて低い状況にあります。中でも女性の技術者・技能者は女性全体の1割強に止まっています。
 国土交通省と業界5団体は、2014年にもっと女性が活躍できる建設業行動計画を策定しました。女性技術者・技能者を5年以内に倍増させることを目標にし、女性が働きやすい現場づくりや女性リーダーの育成を官民挙げて進めています。しかし、男性中心の業界風土や慣習を変えるのは容易ではありません。女性にやる気があっても、組織や働く環境が変わらないと何も動きません。マネジメント層である中間管理職がそれを理解し、働き方を変えていくことが大切です。男性中心の職場で育ボスを育てるのも重要です。育ボスとは、部下の多様性やワークライフバランスを尊重しながら成果を上げ、自らの私生活も充実させる上司のことを言います。

(2016年5月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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