待機児童が増える理由は

 待機児童が増えるのは、共働き世帯の増加が背景にあります。女性の社会進出を受け、1997年以降、一貫して共働き世帯の数は専業主婦世帯を上回っています。安倍内閣が掲げる女性活躍推進の影響もあり、働きながら育児をする女性は増える一方です。こうした社会構造の変化への対応が遅れ、子どもを預かる保育園の数が圧倒的に足りないことが、待機児童問題につながっています。
 政府は子育て支援を重要な政策の一つに掲げ、2017年度には待機児童をゼロにする目標を立てました。2013年度からの5年で50万人分の受け皿を準備しています。そのためには、9万人の保育士が必要となります。しかし、毎年約49,000人が保育園に就職しますが、年約33,000人が離職してしまいます。大きな理由が、給料などの待遇の悪さにあります。保育士の平均月給は約22万円で、全産業平均に比べ約11万円も低い状況にあります。女性だけで見た調査でも、全産業の女性平均より4万円以上低くなっています。

(2016年5月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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