待機児童の数

 待機児童とは、国の保育の基準を満たした認可保育園や市区町村が認可する少人数の保育園(小規模保育施設)などを含む保育施設に入れない子どもをいいます。厚生労働省が発表した20154月時点の待機児童数は、全国で約23千人です。5年ぶりに増え、7年連続で2万人を超えています。保育園の定員は増えているが需要が追いついていません。この待機児童の数は、自治体がそれぞれの基準でまとめた人数を合計した公式のデータです。しかし、隠れ待機児童が約6万人いるとされています。認可保育園に入れず、不本意ながら保育料が高い認可外の保育園に通っている子どもや育児休業を延長されている例などです。
 認可保育園に希望が殺到する理由は、公的な基準を満たしている安心感と保育料の安さです。認可保育園の保育料は、0歳児で所得水準が最高の場合に7万円程度です。平均では、23万円ほどです。3歳児以降だとさらに安くなります。一方で認可外の保育園は、東京都認証保育所の場合でみると0歳児で月額7万円程度です。3歳児以降でもほぼ同額で、認可保育園との差が大きいものがあります。認可保育園に入園するには、新規枠が多い0歳児、1歳児の時点が最大のチャンスで、その先の入園は難しくなります。

(2016年5月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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