待機児童の減少

厚生労働省の発表によれば、希望しても保育所などに入れない待機児童が、4月1日時点で2,944人となり、5年連続で減少しています。1年前より2,690人少なく、過去最少を更新しています。直近のピークだった2017年の2万6,081人から、88.7%減少しています。全国1,741の市区町村のうち、1,489(85.5%)で待機ゼロとなっています。都市部でも大幅に減少し、東京都内の最多は町田市の75人でした。コロナ感染リスクを懸念した利用控えのほか、保育所を利用する就学前の子どもの減少も待機が減る要因となっています。
自治体などは2021年度の1年間に定員を3万1,627人分拡大し、2022年4月時点の定員数は全国で計322万7,110人になっています。幼保連携型認定こども園の定員が3万8,742人増えた一方、認可保育所は1万6,624人減っています。企業が従業員向けに用意する保育サービスは6,787人増えています。地方の保育所では、利用者数が定員を大きく下回る事態も出てきており、25~44歳の女性就業率は2021年に78.6%となり、2020年から1.2ポイント上昇しています。
政府は2025年までにこの年代の女性就業率を82%まで引き上げる目標を立てています。出生数は減少傾向が続くものの、働く女性は増えます。今後は、利用者の減少による保育所の経営が問題となってきますが、保育の質の向上に軸足を移すべきです。来年4月に発足するこども家庭庁に期待が集まります。

(2022年8月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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